「死者=仏」なの?|なぜ、世界の科学者、哲学者が、仏教に注目しているのか

世界文化史の大家で、SF作家の巨匠といわれるH・G・ウェルズは、「私は公平に、どの点からみても、世界で最大の偉人は、仏陀・釈迦牟尼仏である」と述べています。

また、あらゆる宗教を研究したドイツの宗教学者フリードリヒ・ハイラーも、「仏陀釈迦は、世界の最も偉大な宗教家であり、世界の光である」と称賛しました。

仏陀(ブッダ)」とは、無上のさとりを開かれた方で、略して「仏」と呼ばれます。地球上でブッダとなられた方は、約2,600年前、インドで活躍なされた釈迦、ただお一人です。そのブッダ(釈迦)の教えを「仏教」といわれるのです。

現代も、仏教は、多くの人に影響を与えています。20世紀最大の物理学者・アインシュタインは、「現代科学に欠けているものを埋め合わせてくれる宗教があるとすれば、それは『仏教』だ」と語っています。

ドイツの哲学者ニーチェも、「仏教は、歴史的に見て、ただ一つのきちんと論理的にものを考える宗教と言っていいでしょう」と讃えています。

これほど注目される「ブッダ」の教えには、どんな宝が隠されているのでしょうか。

釈迦が「無上のさとり」を開かれ、ブッダ(仏)となられたのは、35歳の12月8日でした。

「さとり」といっても種々の位があります。

相撲の世界なら、下は序ノ口から、上は小結、関脇、大関、横綱まで段階があるようなものです。

次元は大いに異なるものの、仏教に説かれる「さとり」にも、52の段階があり、それぞれ名前がついています。これを「さとりの52位」といいます。

その中で、最も高い位を「仏のさとり」といい、「妙覚」「無上覚」とも呼ばれます。この最高のさとりを開かれた方だけを、ブッダ(仏)といわれるのです。

「さとり」が1段違えば、「人間と虫ほど境界が異なる」といわれます。

「セミは春秋を知らず」といわれるとおり、夏、地上に出て、7日ほどしか生きられないセミに、春や秋の話をしても通じません。まして、スマートフォンやロケットの仕組みを説明して納得させるのは不可能です。

無上のさとりを開かれたブッダと私たちは、1段どころか、52段の差があるのですから、「ブッダ」と「人間」の智慧には大きな隔たりがあるのです。

日本では、「死者=仏(死ねば皆、仏になる)」が常識になっていますが、大変な誤解であることが分かるでしょう。

次に、「さとりを開く」とはどんなことか、山登りに例えてみましょう。

晩秋なら登るほどに、色鮮やかな紅葉を楽しめます。1合め、2合めと進むにつれ、目に入る風景は変わっていきます。美しいイチョウ並木や、緩やかに下っていく川の流れ、にぎわう町の様子……。

8合め、9合めまで登れば、さらに雄大な景色が広がります。

しかしまだ、山の向こう側は分かりません。頂上まで登り詰めた時に初めて、360度、見渡すことができます。

ちょうどそのように、「最高無上のさとり」に到達した方だけが、大宇宙の真理すべてを体得できるのです。

仏教で「真理」とは、「いつでも、どこでも成り立つ道理」をいいます。そう聞くと「科学的な真理」を思い浮かべる人は多いでしょうが、釈迦が最も力を入れて教えられたのは、「古今東西あらゆる人が、本当の幸せになれる真理」でした。それは、どんなことでしょうか。

(『月刊 人生の目的』令和6年4月号より一部抜粋)

続きは本誌をごらんください。


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