【心療内科医・明橋大二先生が回答】Q毎日のように孫の世話に追われています。娘は、私に任せっきりです。自分の体がつらく、いつまで続けられるか心配です

51歳・女性

昨年、2人めの孫が生まれました。娘夫婦は、幸い近くに住んでおり、かわいい孫に毎日のように会えるのはうれしいのですが、娘が仕事に出るようになってから、孫の世話をほとんど私に任せきりのような状態になっています。

昼間は保育園に預けているのですが、保育園のお迎えから、晩ご飯が終わる頃まで、私がほぼ1人で、2人の孫の面倒を見ています。

最近、私も腰痛が悪化し、体もけっこうつらいものがあるのですが、娘も仕事が忙しく、「もうちょっと早く帰ってきて」ともなかなか言えません。娘の夫はさらに帰りが遅いようです。

これから先、自分の体のことも考えると不安が募ります。どのようにすればよいでしょうか。

明橋大二先生

最近は、夫婦共働きが増え、その分、おじいちゃん、おばあちゃんが孫育てに駆り出されることが増えてきています。統計によれば、孫の世話を頼まれた経験のある人は、祖父が59.8パーセント、祖母が73.0パーセント、同居や家が近くの祖父母では、8割以上にのぼり(第一生命経済研究所調べ)、今や子育てにおいて、祖父母の協力は、なくてはならないものといってもいいでしょう。

そんなご時世を反映してか、自治体などでも、「孫育て手帳」などのハンドブックを作り、祖父母の子育てを支援している所も少なくありません。

そういうパンフレットには、たいてい「昔の子育てと今の子育てはここが違う」「親の子育てをねぎらうことが大切」などと書いてあります。

もちろん今どきの子育てを知ることは大切ですし、親をねぎらうことも大切です。ただ私はそこに、一番大切なことが、往々にして欠けていることが気になっていました。

それは、頑張って孫の世話をしてくれている、祖父母へのねぎらい、感謝の言葉です。

今の祖父母はまだまだ若い、元気だといっても、20代、30代の体力ではありません。数時間、元気な孫の世話をしているだけで、くたくたになってしまいます。腰痛や肩こり、めまいや動悸と闘いながら、常用している薬も5つや6つではないと思います。

すでに自身の子育てや務めも立派に果たし、本来なら悠々自適で暮らしてもいい年代です。それでも、孫や娘・息子のためと思って、今も体にむち打って、頑張ってくれているのです。

その祖父母に対して、まず地域みんなが、「ありがとう」「孫が元気に育っているのも、じいちゃん、ばあちゃんのおかげだよ」と伝えていくことが必要ではないかと思うのです。

(『月刊 人生の目的』令和6年8月号より一部抜粋)

続きは本誌をごらんください。


\ 最新号から定期購読できます /
書店ではお求めになれません
定期購読なら[最大30%オフ・送料無料]


【最新号】月号  pickup


大ヒットアニメ映画『親鸞 人生の目的』
シネマート新宿にて舞台挨拶
親鸞聖人を演じた
杉良太郎さん、櫻井孝宏さんが登壇
◯ フォトニュース


アニメ映画『親鸞 人生の目的』
「親鸞さんが好き!と、思える映画ですね」

映画の題字「親鸞」を揮毫した書道家
  永田紗戀さんにインタビュー

東海道での出会い(3)
親鸞聖人の教えを飛驒へ伝えた嘉念房
◯ 歎異抄の旅 
木村耕一


人生を、あきらめないで
「目標」と「人生の目的」は、根本的に違う

私たちは、なぜ生きるのか 哲学者・伊藤健太郎


Q.人生100年時代に、自立した生活を続ける心がけを教えてください
こころの相談室 心療内科医・明橋大二