【インタビュー】『歎異抄』は人生を一変させる宝の山

物は豊かになり、便利にはなったけれど、それが、そのまま我々の幸せ、幸福となるか?というと、「こんなにつらいのなら、死んだほうがマシだ」と自殺者があとを絶ちません。

では、我々は、苦しむために生まれてきたのか?

そんなはずはない。

じゃあ、何のために生きるのか?

見つからぬ答えに落胆し、アキラメながらも、問い続けずにおれない高校時代でした。

そんな時、親友が、私の目の前で、オートバイ事故で即死してしまいました。

たった今まで明るく笑っていた彼はどこへ行ったのか?

無常なこの世を私たちは、なぜ生きるのか?

親鸞聖人が9歳で出家得度なされて仏教を求められた疑問は、その時の私の疑問と同じでした。

18歳で、バイクで富山から滋賀県米原に行き、仏教の講師として出発しました。

「念仏者は無碍の一道なり」

『歎異抄』の親鸞聖人のみ教えの中に、「なぜ生きる」のお答えがあったのです。

万人共通の自由と平等の世界に私もぜひ出たいと、50年余りの半生を親鸞聖人のみ教えをお伝えすることに懸けることになりました。

高森  仏教では、「無常を観ずるは菩提心(ぼだいしん)の一(はじめ)なり」と教えられます。

「無常を観ずるは」とは、死ねばどうなるか知りたいということ。

「菩提心の一なり」とは、本当の幸せになる第一歩ということです。

親鸞聖人といえば『歎異抄』、『歎異抄』といえば親鸞聖人、と言われるほど『歎異抄』は有名ですが、その『歎異抄』には、「やがて死ぬのに、なぜ生きるのか」「死んだら、どうなるのか」をハッキリと教えておられるのです。

(中略)

高森 16年前に発刊されたのが高森顕徹先生の『歎異抄をひらく』です。分かりやすく、詳しい解説が人気を呼び、売れ続け、65万部突破のベストセラーとなっています。

『歎異抄』ブームが高まるにつれ、多くの方から、

「そもそも、『歎異抄』って、なんなんですか? 簡単に分かる本はありませんか?」

「古文が苦手なんです。難しい言葉に弱い私にも分かる入門書がありませんか?」

という声が寄せられるようになりました。

そこで、一人でも多くの人に、『歎異抄をひらく』を読んでもらうためには、まず、古文や歴史、仏教の知識がなくても分かる入門書が必要だと思いました。新刊のタイトルは、ずばり、『歎異抄ってなんだろう』です。

この本の特徴は、『歎異抄』に込められた親鸞聖人のメッセージを、一つの例え話で著しているところです。

物語を読むようにページをめくっていくと、次第に『歎異抄』の全体像が理解できるように書かれています。

図や表で解説したり、イラストも入れたりして、初めての方にも分かりやすい編集になるように心がけました。

(中略)

「今、話題の、歎異抄って、なんだろう?」

こう感じている人が、誰でも気軽に参加し、楽しく学べるイベントが「歎異抄大學」です。令和4年から、幕張メッセ(千葉市)、インテックス大阪、東京ビッグサイト、みやこめっせ(京都市)で行われてきました。

今年は、東京ビッグサイト南棟で、9月8日に開催されます。イベントのメイン企画は、高森光晴先生による『歎異抄』講演です。

幕張メッセで開催された「歎異抄大學」の入り口
『歎異抄』を学ぶコーナー
(みやこめっせ・歎異抄大學)

高森 まず、『歎異抄』という言葉を知ってもらうこと。以前、20代の人に「歎異抄って知っている?」と聞くと、「中華料理の名前ですか?」と言うので、大笑いしたことがありました。

『歎異抄』って、どんな本?

それを知ってもらう。

そのために、『歎異抄ってなんだろう』があります。『歎異抄』に関心を持って、『なんだろう』を読んでもらえるように話をしています。『なんだろう』を読んだら、次に『歎異抄をひらく』を読みたくなるように……。そのきっかけとなるのが「歎異抄大學」です。

『歎異抄』の真意を講演する高森光晴先生
(令和6年5月5日 神戸市産業振興センターにて)

高森 全国に例がないと思います。テーマが「古典」でありながら、若者で会場が満堂になり、海外からの参加者も多くあります。

『歎異抄』講演の会場は、満席に。
みやこめっせ(京都市)で開催された「歎異抄大學」

『歎異抄』に、次のようなお言葉があります。

今、世界中で大規模な地震や洪水、戦争などが頻発しています。まさに、『歎異抄』のお言葉どおり、全人類は、明日はどうなるか分からない不安な世の中で、苦しんでいるのです。

『歎異抄をひらく』の中には、人類の常識を破り、生きる目的を断言された親鸞聖人のお言葉が宝石の如く輝いています。現在ただ今、無碍の一道に雄飛できる道が説かれているのですから、ますます、愛読者が増えていくでしょうね。

(『月刊 人生の目的』令和6年8月号より一部抜粋)

続きは本誌をごらんください。


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