雨の日も風の日も、聞法に通われた親鸞聖人

親鸞聖人(しんらんしょうにん)は、京都の六角堂にこもり、100日間の祈願を続けられましたが、後生の一大事を解決することはできませんでした。

その後、旧友の聖覚法印(せいかくほういん)に導かれて、吉水草庵を訪ねられます。そこで初めて、法然上人(ほうねんしょうにん)のご説法を聴聞されたのでした。

後生暗い心に苦しむ親鸞聖人に、法然上人は映画の中で、次のように説かれています。 

  ◆    ◆

法然上人「どれだけ厳しい修行をしても、人間は、煩悩(ぼんのう)の火を消すことはできないのですよ。もっと金や財産が欲しいという心、人から褒められたいと思う心、思いどおりにならないと怒る心、人を恨んだり、ねたんだりする醜い心……、これらの煩悩を、死ぬまで、減らすことも、なくすこともできないのが人間なのです」

親鸞聖人「それでは死ぬまで煩悩によって苦しみ、罪を造り続け、幸せにはなれないということでしょうか……」

法然上人「そのように苦しんでいる私たちをご覧になった阿弥陀仏(あみだぶつ)が、『私に任せなさい。全ての人を、ありのままの姿で、助けよう』と、命を懸けて誓われています。そんなお約束が『阿弥陀仏の本願』なのです」

親鸞聖人「全ての人を、ありのままの姿で助ける……」

法然上人「そうです。阿弥陀仏は、生きている時に煩悩を持ったままで永久に変わらぬ幸せに救い、死後も必ず極楽浄土へ生まれさせると約束されています。ですから、阿弥陀仏に救われると、後生暗い心がなくなるのです」

親鸞聖人「……上人さま。私を、お弟子の端に加えていただけないでしょうか」

法然上人「(優しく)ええ、よろしいですよ」

親鸞聖人「ありがとうございます。何とぞ、よろしくお願いいたします」

語り・老親鸞聖人「こうして、わしは、雨の日も風の日も、休むことなく吉水へ通い、法然上人のご法話を真剣に聞かせていただいた」

(『月刊 人生の目的』令和7年10月号より一部抜粋)


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