Q.80歳を超えて、介助が必要な父と母の、やりとりが心配です

80歳を超えて、介助が必要な父と母の、やりとりが心配です
両親とも、80歳を超こえて、体が思うように動かせなくなっているようです。
父が、シャツのボタンを留めることができなかったり、一人でズボンをはくことができなかったりすると、母は「何を甘えているの。自分でしなさい」と、子どもを叱るように、きつい言葉を投げかけます。
父は、聞こえないふりをして、だんだん無表情になっているように思います。
すると、母は、ますますイライラして、父に、きついことを言います。しかし、自分が「きついことを言っている」という自覚がないようです。
たまに、両親の所へ行くたびに、このような様子を見て、どちらの肩も持つことができず、困ってしまいます。息子として、どう接していけばいいのでしょうか。

「お父さんのお世話も大変だね。お母さんよくやっているよ。ありがとうね」
といたわっていく
両親とも、80歳を超えて、ということですから、おそらく夫婦となって、50年余りだと思います。
結婚した夫婦の三組に一組が離婚、という現代の風潮からすると、本当に50年間、よく添い遂げてこられたと思いますし、一言で50年といっても、他人にはうかがいしれない、いろんな出来事や、問題があったと思います。そういうさまざまな歴史を乗り越えて、現在の夫婦の関係があるわけで、それを簡単にどちらが悪いとかよいとか、判断できないことだと思います。
ご質問のご夫婦の場合は、どうか分かりませんが、妻が夫に厳しくなるのは、やはり妻が今まで我慢してきた反動であることが多いです。
夫は、今まで自分の好きなように生きてきた。家事や子育ても顧みず、自分のやりたいことばかりやってきた。妻はそんな夫を黙って支え、場合によっては、さまざまなトラブルの尻ぬぐいまでしてきた。
もういいかげん、夫の世話から解放されたいのに、逆にどんどん手がかかるようになってきた。ほかに誰も肩代わりしてくれる人はいない。自分がやるしかない。夫はやらないのではない、体力的な問題でもうできないのだ、とうすうす分かりつつも、そういうイライラや閉塞感をどうしようもなくて、夫に対する、きつい物言い、という形で出していることがよくあります。
夫は夫で、妻の言い方にカチンときつつも、実際、以前できたことがどんどんできなくなっている、結局妻に頼るしかないので、何を言われても耐えるしかない。そうするうちに、自信も失い、意欲もなくなり、どんどん無表情になっていく、ということも、よくあることです。
私は、息子さんとしてはまず、そのように母は母なりの、父は父なりの心情がある、ということをよく理解する、ということがまず第一ではないかと思います。
そのうえで・・・
(『月刊 人生の目的』令和7年12月号より一部抜粋)

88ページ/A4変型
定価:700円(税込)
続きの主な内容
- 介護保険を活用して、週一回でも、ヘルパーさんや訪問看護を導入してはどうでしょうか
- 少しでも心穏やかに、支え合って生きていってほしいですね
全文は本誌をごらんください。
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