Q定年を迎え、これからどう生きればいいか、途方に暮れています

51歳・女性

今年で定年を迎えました。今まで仕事ばかりしてきたので、特段趣味もなく、次の就職先も決まっていません。「人生100年時代」といわれますが、これからどう生きていけばいいのか、途方に暮れています。これから何を支えに生きていけばいいでしょうか。

明橋大二先生

令和4年7月、厚生労働省は、日本人の平均寿命が、男性81.47歳、女性87.57歳になったことを発表しました(「令和3年簡易生命表」より)。

新型コロナの影響もあり前年よりやや下がったとはいえ、世界的に平均寿命は延び続けており、日本においては、2007年生まれの人のなんと50パーセントが、107歳まで生きると推測されています。

まさに人生100年時代の到来です。人類が長い間求めてきた、長寿社会が実現しつつあるわけで、人類の英知と医療の進歩の成果だと、皆で祝福してもよさそうなものだと思います。

ところが、この質問者の方のように、延びた命で何をしていいか分からず、逆に不安と戸惑いで、退職後に、うつ状態になる人も少なくないのが現状です。

この方が生まれた昭和30年頃の男性の平均寿命は、約65歳でした。そうすると、その頃の人々の人生設計は、学校を卒業して就職し、結婚、出産、子育てを経て、子どもが成人した頃には退職し、まもなく死んでゆく、というものでした。

これを単純化すると、3つのステージの人生ということになります。教育のステージ、仕事のステージ、そして引退のステージです。

ところが、人生100年時代になり、引退のステージだけが、途方もなく長くなりました。ですからこれからは、この引退のステージを、ただ、仕事を引退して、悠々自適の生活を送る、というような牧歌的なプランで乗り切ることは、到底できなくなってきます。引退後の生活を、どのように計画し、そのために必要な資産をどのように準備し、得てゆくか、ということが極めて大切なことになるのです。

(『月刊 人生の目的』令和6年11月号より一部抜粋)

続きは本誌をごらんください。


\ 最新号から定期購読できます /
書店では販売しておりません
定期購読なら[最大30%オフ・送料無料]


【 最新号 】 12月号



A4変型
,80ページ,オールカラー
11月25日発売 定価:700円(税込)

自利利他の精神で、命を守る
病気が治らなくても、みんなが幸せになれる医療を

真生会富山病院
  真鍋恭弘院長にインタビュー


諸行無常 (しょぎょうむじょう)
すべてのものは続かない
変わらない幸せはどこに?

1からわかるブッダの教え 令和版 仏教辞典


今日は、お奉行さまご多忙で、お調べがありません
遺産分配で争っていた兄弟
光に向かって 高森顕徹


Q.ひきこもっている息子にどう関わったらよいでしょうか
こころの相談室 心療内科医・明橋大二


アパートの生活でトラブルが起こったら
これから先の不安に答える 弁護士・小堀秀行


 

山伏・弁円は、ガラリと生まれ変わり、親鸞聖人のご恩に泣いた
◯ 歎異抄の旅 
木村耕一


「備えあれば、憂いなし」
災害への最も大事な備えとは

私たちは、なぜ生きるのか 哲学者・伊藤健太郎


野菜が主役なお料理ガイド
◯ブロッコリーの豆腐キッシュ ほか
 野菜料理家・月森紀子


父は私が出した手紙をいつまでも持っていてくれた ほか
親のこころ


老病死を超えた幸せ
漫画 ブッダ 古澤たいち