アニメ映画『親鸞 人生の目的』 盗賊・四郎を演じた小山剛志さんに聞く「人生に悩む人に、光を届ける映画ですね」

声優 小山剛志さん
全国で順次公開中の映画『親鸞 人生の目的』
盗賊の四郎(映画『親鸞 人生の目的』より)

アニメ映画『親鸞 人生の目的』で、四郎を演じたのが、人気声優の小山剛志さんです。

四郎は、比叡山で修行中の親鸞聖人(しんらんしょうにん)の前に、ある日突然、「俺は疾風(はやて)の四郎。都じゃ、ちょいと名の知れた盗賊だ」と言って現れ、寺の仏具を盗もうとします。止められると、「俺たちは食うために盗みをやっている。生きるために盗賊をやっている。それでも罰が当たるのか!?」と、開き直る始末。こんな悪人の象徴のような四郎は、仏教の救いの対象から外れているのでしょうか。

映画の中では、大の坊主嫌いだった四郎が、親鸞聖人、法然上人(ほうねんしょうにん)との出会いによって、大変わりしていく姿がドラマチックに描かれています。

重要なキャラクターを演じきった小山剛志さんにとって、アニメ映画『親鸞 人生の目的』は、どんな作品なのでしょうか。東京の声優事務所を訪ねて、出演した思いをインタビューしました。

── 小山さんは、アニメ映画『親鸞 人生の目的』に出演されるまで、親鸞聖人のことをご存じでしたか。

小山 「親鸞」という名前は知っていましたが、どういう人生を歩んだ人なのかは、この作品で初めて、深く掘り下げて理解することができました。「ああ、こんなにも苦しんで、苦しんで、真っ暗な心の解決を追い求め、ようやく法然上人という師匠に出会って、救われたのか」と思いました。

── この映画は、単なる偉人伝ではありません。

晩年の親鸞聖人のナレーションで、「人は、なぜ生きるのか」「変わらぬ幸せを見つけたい」「人は死んだら、どこへ行くのか」と3つの問題が提起されているように、すべての人に共通した大切なテーマが描かれています。

現代の私たちも、若き日の親鸞聖人と同じ悩みを抱えて生きていると思われませんか。

小山 はい、そのとおりですね。私は早稲田大学に通っていた19歳か20歳の頃に、「これからの人生、どうするのか」「将来、何をするのか」「そもそも俺は、何のために生まれてきたんだろう」と、強い関心を持った時期がありました。

ちょっと引きこもりのような状態になり、大学へも行かず、何もせず、図書館にばかり通って、哲学や心理学、宗教などの本を手当たり次第に読んでいました。心が真っ暗でしたので、「光が欲しい。どうにかして光を見つけたい」と、もがき苦しんでいました。

── そのように、自分の心を見つめ、「なぜ生きるのか」と考えるのは、とても大切なことですね。

小山 しかし、あの時は、苦しみ悩んだ果てに、「分からないや」という結論に達しました。

とにかく、「自分が楽しいと思うことで、自分の存在を証明したり、社会に貢献したりすることができたらいいな」というのが、その時に出した結論でした。

そして、役者や歌手のように、人前に出て何かをやる職業に就こうと決めました。親戚の前で歌を歌って褒められたり、学園祭でギターを弾いて歌って歓声を浴びたりした時に、すごく「生きている!」という実感がわいたことがあったからです。

しかし、そういうことを職業にするのは、そもそも難しいことです。そんな世界で成功する保証などありません。すごく不安だったのですが、一歩前へ踏み出そうという心境になれました。

大学を卒業してから、役者の養成所へ入りましたが、仕事なんか、すぐに来るはずがありません。あるオーディションで、「君、声、いいね」と言われて声優になりました。ちょっとずつ小さな結果を出し、それがつながって、現在に至っています。

── 小山さんの声優としてのデビュー作は、超有名なアニメ『ガンダム』でした。その後も『ワンピース』『この世界の片隅に』など、有名な作品に多く出演されています。まさに、努力を積み重ねられた結果ですね。

小山 若い時に、「何のために生まれてきたのか」と、悩んだ時期があったことは、人生の糧になっていると思います。

しかし、その悩みは、現在進行形です。次から次へと苦しみが出てきます。そのたびに、何とか対処して、明日に向かって生きようとしていますが、人生は、その繰り返しですね。いまだに、「何のために生まれてきたのか」が分からない苦しみから、逃れることができません。

── 今、小山さんが言われたことは、そのまま映画『親鸞 人生の目的』に描かれていますね。

(『月刊 人生の目的』令和7年7月号より一部抜粋)

88ページ A4変型
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アニメ映画『親鸞 人生の目的』「人生に悩む人に、光を届ける映画ですね」
盗賊・四郎を演じた小山剛志さんに聞く
「何のために生まれてきたのか?」
私も、若い頃から強い関心がありました

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