【難度の海】苦難・困難・災難の波が次々と押し寄せる人生

親鸞聖人(しんらんしょうにん)は、苦しみの絶えない人生を、波の絶えない海にたとえて「難度の海」と説かれています。「難度(渡ることが難しい)」とは、「苦しい」ということです。

「一難去ってまた一難」という言葉もあるように、人生には、苦難・困難・災難の波が次々と押し寄せます。

受験の波、就職の波、結婚の波、仕事の波、育児の波、借金の波、介護の波、闘病の波など、一つの苦しみを乗り越えて、やれやれと思う間もなく、すぐ次の波がやってきます。

幼い子どもたちも、いろいろな悩みを抱えています。例えば、「意地悪なクラスメイトがいる学校には行きたくない」「えこひいきをする先生には会いたくない」「運動は嫌いだから、体育の授業には出たくない」といった苦しみと闘いながら生きています。

思春期になれば、容姿や体形について思い悩むことが増えてきます。勉強やクラブ活動では、友人と競う機会が多くなり、ライバルに負けた時には、劣等感にさいなまれ、つらい経験をした人もあるのではないでしょうか。

学生時代までなら、好き嫌いに応じて、ある程度、つきあう人を選ぶことができるでしょうが、社会人になると、そのような自由は、あまりなくなります。苦手な上司や部下でも、良好な関係を保つ努力が必要とされます。社内だけではなく、クレームの多い顧客にも対応しなければならないなど、ストレスと隣り合わせの日々でしょう。

想定外のトラブルが起こって理不尽な要求を突きつけられたり、自分は悪くないのに謝らなければならなかったりします。そんなことが続けば、心も体も疲弊してしまいます。

たとえ地位が上がっても苦しみが
減ることはない

中高年の仕事の悩みは、今後、より深刻になるでしょう。AIの導入や、デジタルサービスへの転換が進むなど、変化の激しい現代では、今までのやり方は通用しなくなってきます。職場の変化に適応する力が低下する時期でもあるので、考え方や行動を柔軟に変えることは難しいかもしれません。

また、リストラは、どの世代にもありますが、中高年の場合、それまでの実績を否定されたようなショックと、転職の選択肢が少ないことで、若手よりも、つらい状況に立たされます。  解雇されずに順調に出世できれば、給料もアップして喜べますが、ずっと気分よく過ごせるかというと、必ずしもそうとはいえません。地位が上がると、仕事の範囲が広がり、複雑な人間関係の調整もしなければならないからです。

たとえトップに就任しても、安心はできないでしょう。会社の業績を伸ばすための戦略を立て、結果が悪ければ、責任を取らなければなりません。不祥事が起こった時には、公の場で謝罪しなければなりませんから、上に行くほど苦しみは増えるといっても、言いすぎではないのです。

さらに年を重ねていけば、気力、体力、発想力、行動力、記憶力など、ことごとく衰えるため、人生の荒波は、ますます高くなっていきます。

(『月刊 人生の目的』令和7年10月号より一部抜粋)

88ページ/A4変型
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