新作アニメ映画『親鸞 人生の目的』が、令和7年2月末から、全国の映画館で順次公開されています。
この映画のテーマは「苦しくとも、人は、なぜ生きるのか」。
誰もが、一度は悩んだことのある問題でしょう。
そして、「変わらぬ幸せになりたい」と願いながら、いくら頑張っても答えが見つからず、苦しんでいる人が多いのではないでしょうか。
すべての人が最も知りたい疑問に真正面から取り組み、「この世から永久に変わらぬ幸せ」に救われる道を明らかにしてくだされたのが親鸞聖人です。
なぜ、善人よりも悪人が救われるのか。
なぜ、親鸞聖人の結婚は、世間を騒がせたのか。
この映画には、若き日の親鸞聖人の姿をとおして、「なぜ生きる」の答えが明らかに描かれています。
【時代背景】
どんな幸せも、喜びも、川の流れのように移り変わり、火のついた家のように消えていく
この映画のナレーションは、晩年の親鸞聖人です。
親鸞聖人ご自身が、若き日の出来事を回想されながら、私たちに語りかけられる形で物語が進行していきます。
では、親鸞聖人の時代は、どんな世の中だったのでしょうか。
映画では、本編に入る前に次のように表されています。
語り(晩年の親鸞聖人)
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」
わしがこの世に生まれた時代は、平穏な世の中ではなかった。
大火、竜巻、地震、疫病、飢饉による飢え……。そして、平家と源氏による争いが続いておった。
移りゆく時代のうねりのなかで、人々は必死に生きていく……。そんな世の中じゃったな。
「ゆく河の流れは絶えずして……」は、鴨長明が書いた『方丈記』の冒頭の文章です。
さらさらと流れる川の水は、常に新しい水と入れ替わっているように、どんな幸せも長くは続かず、瞬く間に移り変わっていくことを表しています。
これを仏教では「諸行無常(しょぎょうむじょう)」といいます。
京の都は、一見、宝石を敷き詰めたような美しい町でした。ところが、平安時代の終わり頃には、大火事、竜巻、地震などの災害が続き、無残な姿になることが何度もあったのです。
また、伝染病が蔓延して多くの人が、あっという間に死んでいったこともありました。
さらに、都を中心として、各地で戦争が繰り返し起こり、どれだけの人が傷つき、亡くなっていったか知れません。
人々は、「苦しくとも、なぜ生きるのか」と、心の底から叫んでいたことでしょう。
しかし、これは、平安時代だけのことではありません。親鸞聖人は、『歎異抄』の中に、次のように教えられています。
(原文)火宅無常(かたくむじょう)の世界は、万のこと皆もって、そらごと・たわごと・真実(まこと)あることなし(『歎異抄』後序)
(意訳)火宅のような不安な世界のすべては、そらごと、たわごとであり、まことは一つもない。
「火宅」とは、火のついた家のことです。もし自分が、屋根から火を噴いている家の中にいるとしたら、どんな心境になるでしょうか。不安で、恐ろしくて、苦しくてしかたないでしょう。
「無常」とは、いつまでも続くものはない、すべては移り変わっていく、という意味です。
まさに、私たちの住んでいる世界は火宅のように不安なものであり、何をしても、何を得ても、すべて、そらごと、たわごとばかりで、本当の安心、満足を与えてくれるものは、一つもないのです。
そんな“火宅無常の世界”に生きている私たちは、どうすれば、変わらない幸せになれるのでしょうか。
(『月刊 人生の目的』令和7年4月号より一部抜粋)
<主な内容>
- 登場人物相関図、主な登場人物の紹介
- 【出家得度】明日ありと 思う心の あだ桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは
- 後生の一大事を解決するために
全文は本誌をごらんください。
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大ヒットアニメ映画『親鸞 人生の目的』
シネマート新宿にて舞台挨拶
親鸞聖人を演じた
杉良太郎さん、櫻井孝宏さんが登壇
◯ フォトニュース
アニメ映画『親鸞 人生の目的』
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永田紗戀さんにインタビュー
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