この世で最も不幸な人は、感謝のない人

幸福は、失って初めて、そのありがたみを知らされるといわれます。なぜ、せっかく手にした宝に感謝できないのでしょうか。

「慣れ」と「うぬぼれ」が原因でしょう。

欲しかった物を手に入れれば、しばらくは喜べますが、すぐその状態に慣れてしまい、あるのが当たり前になって、喜びは消え去ります。それどころか、もっと幸せそうな人が目に入ると、不満さえ出てくるでしょう。そのもとにあるのは、「自分は、もっと幸せになれて当然だ」という慢心です。

「恩知らず」と「わが身知らず」には、破滅しか待っていません。

世界は、災害や戦争、犯罪、暴力の犠牲となり、悲惨な生活を送っている人であふれています。自分も、いつ同じような状況に立たされても、おかしくないのです。それを思えば、恵まれすぎていることに、感謝せずにいられません。

「あれも欲しい」「これもやりたい」と、「欲しいものリスト」を作るのではなく、自分が持っているものを列記して、「あるものリスト」を作ってみましょう。

目が見えること、耳が聞こえること、普通に食事ができること、歩けること、家族、友人、恋人がいること、どれ一つとっても「当たり前」ではありません。それらを失ったら、どんなにつらいか、想像してみてください。

何げない日常こそ、最高の幸せだと気づくでしょう。周囲のすべてに感謝しようではありませんか。

「今日〝は〟ありがとうございました」ではなく、「今日〝も〟ありがとうございました」と言いましょう。「○○さん、今日もきれいに掃除をしてくれて、ありがとう」と、相手の名前を呼び、具体的に感謝の内容を添えることもおすすめです。ただし、無口な夫が突然、妻に感謝し始めると、気味悪がられるか、浮気を疑われるかのどちらかですから、注意しましょう。

「感謝」は必ず、相手に親切をするという「行動」に表れます。すると今度は、自分が相手から感謝されるでしょう。こうして、感謝と親切で結ばれた、温かい人間関係が築かれるのです。

せっかく感謝の言葉を心がけていても、嫌いな人の悪口を言っていたら、その効果は台なしです。インターネットの世界では、皆で寄ってたかって個人を攻撃する、誹謗中傷が盛んに行われています。

悪口を言うと、ストレス解消になると思っている人がいますが、錯覚です。悪口は「言葉の暴力」といわれますが、それは決して誇張ではありません。悪口を言っている時は、アドレナリンが分泌され、脳は実際にけんかをしている時と同じ状態になっているのです。戦闘モードに入って興奮しているのを、「楽しい」と勘違いしているだけで、ストレスは少しも減りません。むしろ増えるので、ストレスホルモンといわれるコルチゾールが分泌されます。この物質が脳に届くと、記憶に関わる海馬という領域を破壊し、記憶力低下を招き、認知症のリスクを増やしてしまうのです。悪口を言っている時は、自分で自分の頭を殴り続けているのだと覚悟しなければなりません。

他人を攻撃することは、自分を攻撃することです。命を削ってまで、嫌いな人を悪く言うメリットがあるでしょうか。他人をこき下ろす楽しみしか知らない、不平と恨みに満ちたグループからは、速やかに離れましょう。

(『月刊 人生の目的』令和7年8月号より一部抜粋)

80ページ/A4変型

定価:700円(税込)


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