少子高齢化の今こそ「つながり」が重要

「生きがい」を8種に大別し、論じています。今まで取り上げた5つは、「自分が健康である」とか、「自分の好きなことをする、欲しい物を手に入れる」「自分の能力を発揮する」といった、自分中心の喜びでした。ここからは、他者と関わる中で感じる生きがいを取り上げます。

多くの人が生きがいの筆頭に挙げる「健康」は、生活の土台であって、これが崩れたら、ほかに何を持っていても楽しめないでしょう。老後を幸せに過ごすには、「貯蓄」と「健康」が大事だといわれます。ですが、いくらお金があっても、付き添いなしでは外出できなかったり、病気のために食べる物を制限されたり、寝たきりになったりしてしまったら、生活の楽しみは激減するでしょう。高齢になったら、金持ちより健康持ち(健康な人)のほうが幸せなのです。お金や仕事が生きがいという人は少なくありませんが、最優先すべきは健康でしょう。

その健康を維持するために極めて重要なのが、6番めの生きがい「家族、友人との良好な関係(絆・つながり)」です。苦しいこと、困ったことがあっても、親しい人がいれば、助けてもらえます。また、守るべき人がいれば、苦難に打ちかつ力がわいてくるでしょう。

ある病院で、こんな調査が行われました。急性心筋梗塞を発症して、同じ治療を受けた患者が、半年以内に死亡する割合が、見舞いに来た人数によって変わるかどうか、調べたのです。その結果、誰も病室に来てくれなかった患者の69パーセントが、半年以内に亡くなったのに対し、一人でも訪れると43パーセント、二人以上なら26パーセントに抑えられることが分かりました。このような現象は医療現場では、よく知られています。

長生きしたければ、何が最も有効でしょうか。2010年にアメリカの大学のホルトランスタッド教授らが、約30万人を対象に研究した結果、禁煙や運動、体型に気をつけることなどよりも、「つながり」があることのほうが、寿命を延ばす影響力が大きいことが分かりました。

裏を返せば、「孤独は喫煙より体に悪い」のです。同じ研究グループが2015年に発表した論文によると、「社会的孤立」は29パーセント、「孤独感」は26パーセント、「一人暮らし」は32パーセントも死亡率を高めてしまいます。

(『月刊 人生の目的』令和7年7月号より一部抜粋)

88ページ/A4変型

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