51歳・女性
独り暮らしで、周りに頼れる人がいません
高齢者で独り暮らしをしています。できるだけ周りの人に迷惑をかけないようにと、自分のことは自分でやってきました。しかし、これから先、病気をしたり、体力が衰えたりした時に、頼れる人がいないので不安です。
孤独死のニュースも時々目にしますが、自分もそうならないともかぎりません。
地域や近所の人たちと、どのような関係を築いていけばいいでしょうか。
明橋大二先生
今や、孤独死は、高齢者だけの問題ではなくなっています
超高齢社会の到来と、地域のつながりの希薄化によって、現在、「孤独死」が、大きな社会問題になっています。
「孤独死」とは、誰にも見取られずに、独りきりで亡くなることですが、特に独り暮らしの高齢者が、亡くなってしばらくしてから見つかるケースが増えています。
ニッセイ基礎研究所によると、現在その数は、年間約3万人といわれています。しかも、今後さらに増えるだろうと予測されています。
近年は、結婚しない若者も増え、2030年には、三世帯に一世帯が単身世帯になるといわれています。
ですから、孤独死予備軍となると、おそらく1,000万人を下らないのではないかともいわれており、今や孤独死は、高齢者だけの問題ではなくなっているのです。
孤独死をなくすためには、人と人とのつながりを作り直す取り組みが必要
「孤独死」の背景には、当然ながら、「孤独」の問題があります。
「孤独」と「独り暮らし」は必ずしもイコールではありません。独り暮らしであっても、家族と連絡を取り合ったり、地域の人と交流したりしている人は、「孤独」とはいえないでしょう。
○独りで生活していて、ほとんど誰とも交流がない。
○家族と連絡を取るとしても、一カ月か二カ月に一度。
○今日一日、誰とも話をしなかった、ということも珍しくない。
それがいわゆる「孤独」だと思いますが、そういう暮らしは確かに人に迷惑はかけていないかもしれませんが、決して人として幸せな状態とはいえないのではないでしょうか。
(『月刊 人生の目的』令和6年10月号より一部抜粋)
続きは本誌をごらんください。
\ 最新号から定期購読できます /
【最新号】12月号 pickup
「人生の目的」こそ、心の健康の土台
苦しくても、なぜ生きるのか
その答えは『歎異抄』に
『なぜ生きる』の共著者・真生会富山病院心療内科部長 明橋大二先生にインタビュー
◯ 巻頭企画
【因果の道理】「自分が悪い」と、なぜ、思えないのか
◯ 1からわかるブッダの教え 令和版 仏教辞典
カルダイ尊者と欲深婆さん②
◯ 漫画 ブッダ 古澤たいち
玉日姫の願い
「いつまでも変わらぬ幸せになりたい」
◯ アニメ映画『親鸞 人生の目的』に学ぶ 歎異抄の旅 特別編
利他(親切)を実践すると、小さな悩みは吹き飛ぶ
◯ 私たちは、なぜ生きるのか 哲学者・伊藤健太郎
Q.80歳を超えて、介助が必要な父と母の、やりとりが心配です
◯ こころの相談室 心療内科医・明橋大二